最初の十数話を視聴しただけの新参者がご紹介というのもおこがましいですが、筆跡鑑定エピソードで活躍している鍾繇さまに言及したい!
鍾繇さま、ドラマでは今のところ書に造詣が深い曹操の家臣という立ち位置です。
曹操の家臣団の中に同じ衣装で埋もれたらもうどの人か見分けがつかないくらい至ってフツーのおじ様です。
が、書道を究めん!とする人にとっては必修の書家。
今日日本全国の小学生がお習字で書く文字は「楷書」です。楷書は行書や隷書からだんだん変化し形成されていった一番新しい書体です。
まだ「楷書」という概念がなかった黎明期は、楷書と行書がミックスしたようなとか、楷書と隷書がミックスしたようなとか、どっちつかずな字体が多くみられます。
そんなころ書かれた鍾繇さまの筆跡が、後世に「楷書」として分類されました。なので鍾繇さま、いわば楷書のパイオニア?ではないでしょうか。
すごくないですか⁈
ドラマでは鍾繇さまの書に関するせりふが存分に盛り込まれており、制作者様の鍾繇さまへのリスペクトを感じます。
↓不肖私、以前臨書した鍾繇さまの「力命表」
注目すべきは文末の語句で、
「頓首頓首死罪死罪」と物騒な言葉がありますが「畏れ多くも大変失礼申し上げました」みたいな意味で手紙の文末に慣例的に添えるものです。
以前臨書したときは「死罪ってそんな大げさな・・・」と思ったけど、ドラマの曹操の態度を思い浮かべるとガチで死罪と言ってるんじゃなかろうか、と時代の価値観というか、違いを感じます