22話の曹操、何だか急に牙を抜かれたように丸くなり、夢とうつつの境目が俄かに曖昧になり、老いの悲哀とか不安とかをまざまざと感じ、胸がざらつきました。最近自分、寝起きに不安感で動悸がします。人生の秋なのだろうか。
そしてついに曹丕、太子に決定しておめでとうございます。立太子の詔を無言で司馬懿に掲げてみせた曹丕と、同じく無言で眼差しで返した司馬懿、いい演出ですねー。あれほど紆余曲折あって耐えに耐えてついにゲットして、あえて誰にもセリフを言わせない。見事。万感の思いをかみしめるのに言葉はいらない。
曹操が曹丕に「司馬懿は殺さないで残しておいてやった」と言いつつ、「二度と情に流されるな」って、司馬懿のお兄さんの命を優先したことでしょうか、含みがあります。一方で司馬懿には「賢明な人は保身に走り向上心に欠ける」と釘を刺し「果敢に挑む気概を持て」と鼓舞します。こういう気概を持って生きて行く限り人生の秋も乗り越えられそう。
果敢に挑む気概を持つ、と言えば、Superflyさんの『Beautiful』だと思います。感覚的に司馬懿は分かってくれなさそうだけど曹操は「いいね」してくれそう。
