『琅琊榜』最終回見終わってから自分、燃え尽きて心は焼け野原です。あれほど毎晩はしごして中国ドラマ見ていたのに次なるドラマに全く食指が動かず・・・それだけ『琅琊榜』の破壊力はすごかったということで・・・
『琅琊榜』より以前にこの燃え尽き症候群?に陥ったのは、もうだいぶ前になりますが松坂桃李さん主演『侍戦隊シンケンジャー(2009)』でした。
で、、唐突ですが、かつ中国ドラマではないんですけれど、この『シンケンジャー』について書いてみたいと思います。
この作品が松坂桃李さんのデビュー作になりますので私、デビュー作から追いかけてたことになるのですが(←子どもの横でたまたま見てただけ)松坂桃李さん、いい役者さんになりましたねー(何様)。第1話ではずぶの素人だった若者がだんだん役者としてサマになっていく過程を見るのはスーパー戦隊の醍醐味であり、どの役者さんも微笑ましいものです。当時ハタチそこそこの松坂桃李さんも最初こそ棒演技・棒セリフでしたが、最終回が近づくにつれてもう役が憑依していくというか鬼気迫るというか1秒たりとも目が離せなかった。
脚本(小林靖子さん)がまたすごくて、(注:ここから先、盛大にネタバレ→)松坂桃李さんは悪の外道衆軍団と代々戦ってきた志葉家の当主として、家臣である他メンバーに「殿様」と崇め奉られています。が、実は真の当主を守るため敵の目を欺くために「殿様」に据え置かれ育てられてきた影武者で、真正の血筋ではない偽物でした。この鬼設定な事実は最後の数話で本物の殿様が現れたときに明かされるわけで、「これ子供向け番組ですか…?」と生唾飲んで固唾を飲んで見守っていたのを覚えています。
「殿様」を降ろされお払い箱になった影武者の松坂桃李さん、心が虚無になったところを外道衆に付け狙われます。何のメッセージ性も持たないうつろな目にかけては松坂桃李さんの右に出る者は世界探してもいないんではないでしょうか。演技力うんぬんではなくて天性の、とか神に与えられし、的な?あれ?褒めてるのかけなしてるのか、どっちだ?
ともあれそうしてぽっかり穴が開いた心を埋めるべく、斬り合いに憑かれ邪道に堕ちそうになる松坂桃李さん、宿命の仇に向ける哀しくも挑戦的な獣の目に、ぐわしっと心臓わし掴みされたママたちが日本各地で悲鳴を上げていたのではないだろうか。最終的には子供向け番組なので今までともに戦ってきた家臣団に諭され励まされ、また立ち上がる松坂桃李さん。ラスボス倒し大団円。
このシンケンジャーという作品で出会った、小林靖子さんという脚本家と松坂桃李さんの唯一無二の眼差しに、私の心は焼き尽くされ荒野と化し…再び野原に戻るのに少なからず時間を要したのでした・・。
ということで今回も立ち直るのに多少時間はかかるでしょうが、しばし『琅琊榜』の余韻に浸っていたいと思います。
そして子どもたちのヒーロー、ママたちの癒し、新人俳優育成発掘、と一石三鳥なスーパー戦隊の末永い存続と未来に栄光あれ。