『鶴唳華亭』本編・外伝見終わりました

主人公の皇太子はすぐ泣いてたけど、私は涙せず終了しました。

スカッとする系のドラマでは全くないですが、なぜかクセになります。

 

ドラマのテーマ

ザ・宮廷劇でした。嵌めたり嵌められたり、と思わせといて嵌め返したりという駆け引き、策略にまみれた皇宮で、主人公が皇太子として生きるか死ぬかの攻防戦を繰り広げる話です。

サブタイトルがLegend of Loveってことでしたが、男女の恋愛というよりは親子の情や兄弟の確執など家族愛的な要素の方が印象的で、ドラマの軸を貫いていたと感じました。

また登場人物が共通して呟くセリフが「報応(報いだ)・・・」で、AがBに対して行ったことが時を経てAも同じ目に合うとか、父の代に起こったことが子の代で繰り返される、というようなエピソードが頻繁に散見されました。因果応報、というのも一つ大きなテーマだと思いました。

 

主人公カップルについて

全編通して拷問が多かったなぁという印象ですが、主人公カップル双方が心身ともにこんなズタボロになって傷つけあうドラマ、他に記憶にありません。

支え合うことができず忘れてしまうこともできないのなら二人で沈んでしまおう、という超ネガティブ思考です。2人の世界に没入し心中していくような、堕ちるとこまで堕ちて行くような退廃的な美しさというか、もののあはれを感じてしまいました。

 

虐げられて抗うイケメンに常々ときめく不埒な私ですが、拷問されるルオ・ジンさんの眼差しはどうしても不安にうち震える仔犬に見えてしまい・・・畏れながらときめくというよりは母性を揺さぶられてしまいました。「荒れた唇にリップクリームを塗って差し上げたい」と思う始末です。

 

感想

中国ドラマ王道の策略のぶつかり合い、という展開ですが、敵をやり込めた!としても何やら陛下の不興を買って怒られたり、やっと陛下に褒められた!と思った次の瞬間、敵が奥の手繰り出してどんでん返しで杖刑行き、などなど「いつスカッとするんだろう」ともやもやが蓄積する一方です。

複雑な朝廷のパワーバランスに加えて、辺境の軍の戦況とか兵権とか絡んでくるとさらにややこしく、辺境にいる将軍が都に帰ってくること或いは帰ってこないことが、謀反に繋がるという因果関係が何回見てもピンときませんでした。中国人なら「そりゃー謀反だよ!」とピンとくるんでしょうか。もしくは字幕、二言三言端折ってたりしてないだろうか(←人のせいにしたい)

極め付けに腑に落ちなかったのは外伝のラストで、皇太子のお心が凡人の私には分かりかねました・・・。幸せになってはいけない、とか幸せになる資格はない、という自分への罰だったんでしょうか。また事前に依頼されていたとはいえ幇助したヒロインの心情も輪をかけて理解に苦しみます。

なんて気付けば文句しか言ってませんが、映像はCGなのか実写なのか分かりませんが、辺境の過酷な大自然や都の雪景色、ヒロインの故郷の山河などとても美しかったです。特に、重要なシーンには雪が必須アイテムのようで、雪の演出にはとてもこだわりを感じました。物語の救いのなさを雪がより効果的に見せているというか、雪でしめるためにラストがああなったのか?なんて考えてしまいました。

ともあれ、この外伝のラストの皇太子の気持ちが理解できた日には、人の気持ちを細やかに読んで展開を予測しどのような影響をもたらすか把握できるようになれそう、と思うので、この腑に落ちない謎は心にとどめておきたい。

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