『孤城閉〜仁宗、その愛と大義〜』見終わりました

心掴まれて録画一気見し、久々廃人になりました。

 

とても慈愛に満ち、明君と誉れ高い仁徳ある皇帝趙禎の一代記で、青年期から晩年まで描かれます。

中国ドラマでいろんな皇帝を見たけど、こんなに皇帝の苦悩とか感情とか家族愛とか、内面を深掘りした奥行きのある皇帝を見た記憶はなく、さすが『琅琊榜』の製作陣、と思いました。

 

職場でも使える?明君の心得

突如私事ですが、職場の若い子がラクな業務ばかり選り好みして、面倒な業務を回してきます。

ムカっとくるけど、趙禎になったつもりで対応してみましょう。

  • その行動に至った隠された理由があるかもしれない
  • 人のある一面だけ見て判断するのは早計
  • 欠点を補って余りある能力・手腕がある場合、登用したほうがいい
  • 一見不利であっても長期的に見て利となることもある

つまるところ忍耐、「我慢しましょう」ということでしょうか、私にはムリです。

 

某国皇族のお姫様とオーバーラップしました

後半、皇帝の愛娘徽柔の結婚にまつわるエピソードに、不適切とは思いながら某国皇族の公主(内親王殿下)を重ねて見てしまいました・・・かの公主はお気持ちを貫き完遂したので、好きな人と結ばれなかった徽柔とは単純比較できませんが、「私」を優先して大臣や民に叩かれる理不尽とか、民の模範として生きなければならない重圧とか、すごいデジャヴ感。

皇族として生きることの難しさ、閉塞感、自由への憧れなど、テレビのワイドショー越しには理解できなかった皇族の叫びを、国外のドラマを見て得心するという、なんとも皮肉な結果となりました。

 

宦官に心奪われる

公主徽柔に仕える懐吉という聡明で端正な宦官が、公主ファーストで誠心誠意守り抜く姿に不覚にも心射抜かれてしまいました。。。男女のラブ、ブロマンスとも異なる、「姫と宦官」という新ジャンル?です。昨年末配信で観た宝塚版『蒼穹の昴』の美しすぎる宦官、朝美絢さまに続いてこちらの懐吉と、個人的に宦官ブーム到来です。

特に、公主が嫁いだ先で騙されて薬盛られたときに、いつも冷静沈着な懐吉が、侍衛に取り押さえられながらも感情露わに立ち向かい抗うシーンでくらっと来てしまいました。もしここで捕まって不当に投獄なんかされてたらもう完全に私、堕ちて当分浮上しなかったでしょう(←投獄フェチ)

若い懐吉が眩しくてつい注目がいってしまいますが、もう一人、茂則という年長の宦官も皇帝皇后を支えてひたすら黒子に徹する姿が心を打ち、捨てがたい。全話観てから第1話に戻ると「ここからいたんだ」と、より一層じわじわと味わい深く堪能できます。

 

まとめの感想

舞台の9割がたが皇宮内で、華麗なアクションシーンは全69話通して10分あるかないか?です。『琅琊榜』のような策略・報復・どんでん返しといったドラマチックな展開でカタルシスが得られることもまずまずないし、『琅琊榜弐』のような倒すべきラスボスもいないです。

しかし、大臣の諫言や太后に従うより他ないまだ青くて弱い趙禎が、やがて皇帝として自立し諫言に苦悩し、いつしか諫言する大臣をいなすまでに成熟していく様は見応えあります。

オープニングやエンディングの歌は私即飛ばす派ですが、このドラマの歌をたまたま聴いて「深イイ歌だ…」と思いました。歌詞に皇帝皇后の秘めた気持ちが全て凝縮されています。ぜひご一聴お勧めします。

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