『成化十四年』完走した感想

成化十四年、初めは趣旨がよくわからなくて「結局アナタはおいしいもの食べていられりゃいいんでしょー」だの「ラスボスをまず示せ」だの「で?」だの悪態ついていたことを改めて懺悔いたします。すいませんでした。

当初「ブロマンス」というワードで興味を持ったけど、不感症なのかブロマンスみはほぼ感じませんでした。ただ敵の手に落ちて投獄されたやつれた唐さんにはくらっと来ました。「投獄」が私の堕ちポイントだと確信しました(←どーでもいい)

こうして全編通して見てみると、カテゴリーとしては推理ものですが、サブテーマとして「いろいろあるけど同じ人間だし」という大げさだけど人類愛というか、ヒューマンドラマのような一面も感じました。

象徴的なのは度々登場するみんなで集って食事をしているシーンです。

冬児は孤児だし、唐姉は寡婦だし、デュルラは異民族だし、隋州はPTSDだし(←ちょっとわけが違うけど)、汪植は宦官だし、みなちょっと訳ありでマイナーな人たちです。

その人たちが地位も立場も上も下もない丸いテーブルを囲んで、背景はみなそれぞれバラバラだけど同じご飯を食べている。差別されたり蔑まれたりしない。同じ人間だし。

あとぺい医師の言葉からも同様のメッセージを感じます。ラスト一つ前のエピソードで、爆弾を作っていた王憲。王憲の呆症?(自閉症?)について、ぺい医師が「病ではない、思考方法が違うだけだ」と解説していて、この時代にこんな柔軟でフラットな視点で語れる人っていたの??と驚きました。このシーンも「同じ人間だし」というサブテーマで描かれていたのではないでしょうか。

は!・・・

ふと思ったけどこのドラマ、もしかして昨今何かと中国が先進国各国から批判される「人権問題」をかわす意図があるのでは??中国は差別なんかしませんよ、同じ人間だと思っていますよ、的な・・・

やばい、最近自分、『軍師連盟』に感化されて何かにつけて裏を読もうとしてしまうくせが出てしまいます。危ない危ない。

まあ実際そんな意図ないでしょうが、お話としては分かりやすくクセも強くなく、家族で見ても変な汗かきそうなシーンもなく、中国ドラマの入り口として最適だと思います。あと中華料理好きって人にはぜひおススメのドラマでした。

 

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